こんにちは、バッグブランド Saori Mochizuki デザイナー&中目黒の雑貨屋 Accent Colorオーナーの望月沙織です。
東急電鉄の電車内化粧に関する啓発広告が物議をかもし出してますね。
「電車内で化粧はマナーの問題なのか?」
この話題をみてわたくしは、ロンドンでホームステイをしていた時、朝の満員電車でよく喧嘩がまき起こっていたことにびっくりしたのを思い出しました。
わたくしは1ヶ月ほど、ロンドンの中心地にある語学学校に、チューブ(東京の山手線みたいな存在の地下鉄)で15分くらいかけて通っていたのですが、毎朝ホームに滑り込んでくるチューブは、日本のはみ出んばかりの超絶満員電車から見たらはるかに余裕の乗車率。
でも、ロンドン人にとっては、赤の他人とちょっとでも接触した状態で乗り込むなんてもってのほか、らしく、乗客全員が周囲の誰とも触れ合わずに乗れるギリギリまでの人が乗っている状態だと、ドアが開いても「Oh…NO!」とか言って、乗るのを諦めて次の電車を待ったりしてました。
それまでの人生で、無理にでも押し込んで乗る文化に慣れていたわたくしは、まずその姿を見ただけでもビックリしたのですが、時間がなくて待ちきれずに少々強引に乗り込んでくる人がいようもんなら、「You push me ! You push meee !!!!!!!」と、ヒステリックに怒り出す人が結構いたのでそれにも目が丸くなりました。
1度なんて、どーしてもその電車に乗りたかったらしい若い女性が、扉が開いた瞬間、ホームから中の乗客に向かって、「詰めてもらえないか?」とお願いしたのですが(それもちゃんと、Would you 〜?で始まるとても丁寧な物言いで)、車内の人は誰一人として聞き入れず彼女をガン無視。。。
しびれを切らしたその女性が、「ちょっと申し訳ないですけど、乗りますわよ!」的な断りを入れて乗り込んできたら、車内の人達がその人を総攻撃しはじめたのです(少なくともわたくしにはそう見えた、、、)。
なかでも、ちょっと年配のいかにもロンドン貴婦人という佇まいの女性が、「人を押しのけて乗り込んでくるなんて失礼じゃないの!」みたいなことをいやみっぽく言い放ち、周囲の人達も「そうだそうだ!」と援護射撃をし、最初はそれに対して「でも詰めてってお願いしたでしょう」と反論していた女性も、次第にいたたまれなくなったのか、次の駅でさっさと下車。
その後ろ姿を見送りながら、車内の人たちが、貴婦人に向かって「よくやった!」的な喝采を送っている様子を見て、なんだかとても怖くなった記憶があります。
で、その時に改めて、日本人て不思議な文化をもっているな、と強く感じたのです。
公共の場における、人との密着の仕方が、欧米(というかロンドン)とはちょっと異なる、と思ったのです。
例えばロンドンの人を含む欧米人は、ハグやキスのように、仲のいい知人友人と公共の場で接触することに何ら抵抗がありません。でも日本人はちょっと躊躇します。
一方で日本人は、満員電車のように、見知らぬ人と公共の場でふれあうことにあまり抵抗がありません。
むしろわたくしは何となく、知人とぴったり密着しながら満員電車に揺られることの方を居心地悪く感じます。
どうして見ず知らずのおじさんなら平気で、知ってる人の方が嫌なんだろう、、、と思うと自分でも不思議で仕方がありません。
というか、本来は見知らぬおじさんとの接触だって嫌なので、知っている人だろうと知らない人だろうと、誰かと接触しながら電車にのることなんてあり得ない、というロンドンの感覚の方がよっぽどまともだとは思います。
ただその理屈で考えると、なんとなく電車内でお化粧をしてしまう人の心理が理解できる気がしました。
もし車内に好きな人がいたら、お化粧、するのかな。好きな人の前に出るなら、全て仕上がった完璧な顔がいいって思うんじゃないでしょうか。
乗ってる人全員知らない人だから構わない、なんて潜在的に思ってないかしら。。。
みっともないかなくないか、もさることながら、そこってとても重要で、もし本当に車内でお化粧することを止めて欲しいと思うのであれば、そこに刺さる形でアプローチしないとダメなんだろうな、と思いました。
さて、今後日本の電車の車内はどんな感じになっていくのでしょうかね。
たまにロンドンのことを思い出しつつ、観察していきたいと思いました。
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バッグブランド「Saori Mochizuki」デザイナー
中目黒の雑貨屋「Accent Color」オーナー 望月沙織
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