こんにちは、バッグブランド Saori Mochizuki デザイナー&中目黒の雑貨屋 Accent Color オーナーの望月沙織です。
わたくしの住む世田谷区は、11月30日が認可保育園の4月入園申し込み締め切り日です。
現在認可外施設に通っているうちの0歳児(来年4月時点で1歳児クラス対象)ももちろん申し込みをしました(今お世話になっている認可外でも十分満足はしているのですが、いかんせん、保育料が高いのと、生活動線からはかなり不便な所にあるので)。
そんなところへ持ってきて、こんな記事を見つけました。
東京23区認可保育園に入りにくいワースト15駅
https://www.sumai-surfin.com/k/static/nurseryschool/
記事の内容もさることながら、今回認可園の申し込みをしてみて、痛感したことがあります。
それは、この待機児童問題は、単に保育園の数を増やすだけでは決して解決しないだろう、ということです。
根本的に社会的価値観が変わっていかないと、難しい問題だと思うのです。
【保育園に入れるために保育園に入れてないとだめ?!】
意外と知られてないびっくりな事実ですが、世田谷区に限って言えば、認可園に受かるには、申し込みの時点で両親がフルタイムで仕事している(もしくは、申込日の翌日から入園までの間に仕事復帰する)ことがほぼ絶対条件になります。
保育園に受かるかどうかわからないうちから、育休返上で働き出してるか、入園希望日までに働き出します、と、所属企業と約束を交わした書類を提出してからじゃないと入園は絶望的になります。
「保育園が決まったら復帰します」というのは許されないのです。
子供を預かってもらえないと働けないのに、働いてないと預かってもらえない、というこの壮大な矛盾。
またこの「フルタイム」という条件がくせものでして、1日8時間平日週5日勤務(週40時間)がデフォルトとされているので、そこにはまらない働き方をしているうちみたいな夫婦ともに自営の者は、応募当初
「(土日に働いていても、平日に働いてない日があるから)フルタイムとはみなされないかもしれません」
と言われてびっくり仰天しました。
結局うちは、月の総労働時間数が160時間以上あったので「フルタイム」とみなされることになりましたが、極端なことを言うと、週40時間働かないで40時間働いているのと同じ収入を得られる生産性の高い人は、認可園の申込的にいうと、NGなのです。。。
そういう人は「保育園の必要度は低い」から、幼稚園か認可外保育園を探しなさい、という暗黙のお達しなんですが、3歳から、しかも9時-14時でしかみてもらえない幼稚園じゃ、いくら生産性の高い人だって思うようには働けないだろうし、認可外保育園もパンパンで、そう簡単には見つかるものでもありません。
【子育ては誰かの手を借りてはいけない!?】
そして面倒を見てくれる親族などが同居してたりすぐそばに住んでたりすると、これまた点数が減点されて、入園は難しくなります。
とにかく、保育園に預けたいと思う親は、「なぜ自分達だけで子供の面倒を見れないのか」を、入園申込書類で徹底的に問われるのです。
それはそれはしつこいくらいそこを問う質問項目・チェック項目が並ぶので、割とノーテンキなわたくしですら、書いているうちにまるで子供の面倒を見れないダメ親の烙印を押されるような気分になってきて、預けることに対してどんどん罪悪感でいっぱいの気持ちになりました。
このように、保活は親に10か0かをつきつけてきます。
親たちは(特に母親は)、出産直後の体力的に厳しい時からフルスロットルで働くか、仕事を完全に諦めて子供の面倒を見るかの2択を突きつけられてしまいます(ちなみに就労先で1年以上勤務実績があるかどうかのポイント1点が当落を分けるので、もし出産前の職場を退職してしまうと、これまた入園が絶望的になります)。
そうなると、「まだ働きたい」と思う女性は血相を変えて保育園を探すはめになります。
結局のところ、制度や価値観が旧態依然としたままのところに現代のニーズが殺到してしまったもんだから、あまりに極端な状況に追い込む&追い込まれる事態に陥ってしまっている、というのが待機児童問題の本質だと思います。
例えば週3日だけ働きながら子育てするとか、そういうグラデーションある生き方をしている人の子供の受け皿ができたり、子育てで夫婦以外の誰かの手を借りることは悪いことではないんだ、という意識をもっと社会が持てるようにならないと、どんなに保育園の数を増やしたところで、この問題は全く解決方向に向かわないでしょう。
・・・・ということを、今、この時点で声高に叫んだところでとてもじゃないけど間に合いませんので、とりあえずわたくし達夫婦も現状の制度に則って、申込をしました。
さて、うちのお子は、来年4月に認可園に入れるのでしょうか。
バッグブランド「Saori Mochizuki」デザイナー
中目黒の雑貨屋「Accent Color」オーナー
望月沙織
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