カテゴリー:半歩先のドラマチック

余分なことは言わない

半歩先のドラマチック

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こんにちは、バッグブランドSaori Mochizukiデザイナー&中目黒Accent Colorオーナーの望月沙織です。

明日は70回目の終戦記念日ですね。

わたくしは両親含めて戦後生まれの世代で、祖父が「目が悪くて徴兵検査に落ちた」というエピソードを持っているくらいで、近しい近親者から戦争の生々しい体験談を聞いたこともなく育って来たので、先の大戦含めて、日本が戦争をしていたという事実をなんとなくヒトごとの遠い歴史のように捉えている感覚があります。

それでも再び戦争に巻き込まれるだなんてまっぴらゴメン!と思ってますし、いがみ合う国際外交を目にしたりすると、どうしてもっと仲良くできないのかしら~と思ったりもします。

その割には、近しい人と言い争ったり、意見があわずに衝突したり、ケンカしたりする自分もいます。

平和を目指す、っていうと、なにか大きな枠で捉えがちですが、多分、「大風吹けば桶屋が儲かる」というのと一緒で、わたくしレベルでも身近な人と仲良くやれれば、それは人から人へ伝播していって、ひいては大きな平和につながるんだろうな、と思います。

とはいえ、仲良くやる、って難しいです。

人が2人いれば、100%同じことを考えている訳がないので、どこかでお互いの考えの相違にぶつかる時が出てきます。

その時に、話し合ってどちらかの意見に落ち着けば問題ありませんが、話し合ってもお互いに認め合えない時もあります。そんな時は、「あなたの意見は受け入れられないけど、あなたがそう考えているということは理解しました」ということをお互い共通認識としてもてれば、まだ問題はないと思いますが、どちらかが一方的に意見を押し付けようとしたり、相手が理解できないことを理解できなかったりすると、どうにもなりません。。。

そういう時でも、例えば一方的にやり込められた相手が、せめて「そういうことをされると悲しい」と、自分の気持ちを言えればいいですが、意外と「もう言っても仕方がない…」と諦めて、どちらか一方が我慢するパターンは多いと思います。

更にその我慢を自分なりに消化できればまだマシですが、積もり積もって、ある日突然爆発…なんてこともあると思います(わたくしは結構このタイプです)。

そう思うと、例えネガティブな感情だったとしても、伝わるか伝わらないかわからなくても、とりあえず溜め込まずに自分の感情は外に出した方がいいのかもしれません。

そして最近学んだのが、もし自分のネガティブな感情を相手につたえるのであれば、たた単純に、「自分は悲しいと思っている」という事実だけをつたえるようにするのが大切、ということでした。

意外とやりがちなのが、「事実」+「相手を攻撃する一言を添える」パターンで、例えば、「わたくしをこんなに悲しい目にあわせるなんて、あなたの性格はひどい」みたいな言い方を、往々にしてしまいがちです。

でもそうすると、更にいがみ合う結果になり、イヤな方へどんどん流れていってしまいます。

そうなるのがイヤだから、ネガティブなことを言うのはやめよう、、、ってなると思うのですが、ネガティブな感情でも、伝え方次第ではきっと相手にきちんと届くやり方はあるはずなのです。

という訳で最近は、イヤだな、と思った時に、どうやったら冷静に、単純に、「自分はイヤだと思ってます」という事実だけを相手に伝えることができるか、色々模索中です。

根は気が短いのに、それを一生懸命我慢することでおさえよとする、という少々よじれた性格のわたくしは、そもそも自分が感じる通りの感情を素直に言葉にすることが苦手なので、思ったことを口にすること自体なかなか難しいのですが、もう結構いい大人になりましたし、事なかれ主義になるのはイヤだけど、かといってイチイチケンカするのもしんどいので、なんとか、冷静に、相手に感情を伝えるすべを身につけたいと思いました。

それが世界平和につながるといいなと思います。

 
バッグブランド「Saori Mochizukiデザイナー
セレクトショップ「Accent Color」オーナー
望月沙織

Saori Mochizukiの水玉バッグ
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どちらが壮絶か

半歩先のドラマチック

hanpo_29
 
こんにちは、バッグブランドSaori Mochizukiデザイナー&中目黒Accent Colorオーナーの望月沙織です。

最近、仕事と仕事の合間に漫画喫茶にこもる機会があったので、珍しく漫画をどっぷり読んでみました(わたくしは、嫌いな訳ではないのですが、なんとなくあんまり漫画を読みません。どちらかというと、本(最近だと電子書籍)派です)。

ちなみに読んだのはこのシリーズ。

吾妻ひでお著 「失踪日記」 「失踪日記2 アル中病棟」

「失踪日記」は、読んだ友人から、「とんでもないマンガ。壮絶な内容だよ」と聞かされていたので、どんなことが書いてあるんだろう…とこわごわ読んでみましたが、うーん、、意外とそうでもなかったです。

いや、なんていうんでしょうか、例えばあそこに書かれている内容を実際にやってみろといわれたら絶対に無理だしイヤだし、そういう意味ではあり得ない話だと思うのですが、状況が「ホームレス」という非日常なだけで、毎日規則正しく残飯を探しにいったり、果ては配管工として働き始めたりと、そこはかとなく漂う雰囲気はやたらと「几帳面」なんです。

おそらく吾妻さんは、本来は「ちゃんとしたい人」なんだと思います。

でも、完璧にやろう、ちゃんとやろう、という意識が強すぎて、なにか一つでも歯車が噛み合わなくなると全てが許せなくなってしまうのではないでしょうか。たった一つのことで一切のものが崩れ落ち、そんな「ダメ」な自分と向き合うのが辛くて、結果、日常生活を捨ててみたり、お酒に逃げてみたりするのでしょう。ちゃんとしていられない自分がイヤすぎて、更にどんどんちゃんとできなくなる、という悪循環に陥ってしまうタイプの方なんだと思います。

ちなみにこの時の吾妻さんのご家族って、どんなお気持ちだったのでしょうか。

作中に出てくる吾妻さんの奥さんやお子さんは、かなり淡々と現実を受け入れているように描かれておりましたが、おそらく失踪されている間の彼らの日々もまた、壮絶だったんじゃないかと思います。

警察に捜索願を出したって、事件性がなければそれで終わりでしょうし、生きているのか死んでいるのかもわからない状況で何日も過ごさないといけないなんて、考えただけでもイヤです。仮にそこに気持ちの折り合いをつけたとしても、「吾妻さんがいない」という状況に人生をシフトさせないといけないのは、それはそれでしんどいことだと思います。

そこまで勝手に想像して向き合ってみると、「失踪日記」はかなり「壮絶」な内容だと思いました。

吾妻さんのご家族は、「失踪日記の反対側」みたいな本、かかないでしょうかね。そんなもの興味を持つのはわたくしだけでしょうか。でも機会があったらお話しを伺ってみたいと思いました。

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望月沙織

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通じる人

半歩先のドラマチック

Saori Mochizuki サオリモチヅキ 望月沙織 水玉 バッグ ストライプ ボーダー リボン ドット
 
こんにちは、バッグブランドSaori Mochizukiデザイナー&中目黒Accent Colorオーナーの望月沙織です。

今、バッグに使う革の加工で試行錯誤しています。

加工屋さんに指定された通りの革を革屋さんに発注して加工依頼に出したんですけど、待てど暮らせど連絡が来ない…。

しびれを切らして連絡してみると

「あっ!(…って実際は言ってなかったけど、わたくしにはそう聞こえた…!)ちょっと明日電話してもらえますか」

これ、完全にそば屋の出前状態じゃん、と思いつつ仕方がないので翌日電話をしてみると、

「えっと、あの革だと全く加工がのりません。仕方がないのでちょっと試行錯誤してみます。お時間ください」

えぇぇぇーーっ。

加工がのらないって、どういうこと?
ここから更に時間がかかるって、どういうことー???

こちらは言われた通りの革を手配したのに、なんでこんなことになるんだよ、と、頭の中は怒りとも悲しみともつかない感情でぐるぐる、、、。でもこういう経験て初めてではないので、どうしようもないや、と思ってしばらく待ちました。

数日後、できました~って連絡が来たので、ほっと胸をなでおろして引き取りに向かってみると、はいこれです、とモノだけポンと渡されて一切の事情説明がない。。。

かといってこのままおめおめと引き下がる訳にもいかないので、

できないって言ってたのにできたらな、どうやってやったのか説明してくれないと次に発注をかける時に困る。
革も別の種類にした方が加工がしやすいなら、どんなものにかえたらいいのかおしえてくれないと前に進めないーーー。

と食らいついたのですが、返ってくるコタエは「なんか、結果的にうまく言った」「もうちょっと仕上がってる革がいいかも」と、クモをつかむようなものばかりで、結局なんら建設的な意見を聞くことはできませんでした。

それでもそのまま放っておく訳にはいかないので、今度は革屋さんへ直行。

これまでの経緯を説明し、加工屋さんじゃラチがあかないので、どういう革を手配したらいいのか相談にのって欲しいという話をしました。

すると革屋さんがこうおっしゃいました。

「失礼な言い方になってしまうかもしれないけれど、加工屋さんも相手をみて仕事をしていると思う。うちはその加工屋さんに毎日出入りしているから、うちが一言『絶対失敗するなよ』って添えればあっという間に仕上がってくると思うけど、あなたが一人でお願いしに行っても、軽く扱われてしまう可能性は否めません。例え悪気がなかったとしても、普段付き合いがない人の仕事よりも日々取引している人の仕事の方を優先してしまうのは人情として仕方がないことだと思います」

はい、、、確かに。
おっしゃる通りだと思います。

わたくしが(規模的にはまだまだ分不相応ながらも)株式会社組織を立ち上げた最大の理由もここにあり、それでも以前の、なんの肩書きもなかった個人事業主時代に比べると格段と動きやすくなったのは事実ですが、まだまだ新参者が簡単に食い込んでいけない所もあり、今回の加工屋さんはその典型的な例だと思ってます。

人間の本質は組織や肩書きで決まる訳ではないし、そんなものあってもなくても生きていける、とは思うのですが、とはいえ、それがモノを言う世界があるのも認めざるを得ない事実なので、だとしたらどうやってそれとうまく付き合っていけるのかを考えるしかない、ということを改めて実感しました。

今回は、見るに見かねた革屋さんが矢面に立ってくださることで話は一歩前進。

「うちが一度向こうに事情を聞きにいってみますから、そのコタエをみてから、使う革を決めましょう」

と頼もしいことをおっしゃってくださいました。

ここからまたどんな展開が待っているかはわかりませんが、ご好意を無にすることなく、わたくしも自分ができることを精一杯やろうと思います。
 
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キライなものはキライです

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Saori Mochizuki サオリモチヅキ 望月沙織 水玉 バッグ ストライプ ボーダー リボン ドット

こんにちは、バッグブランドSaori Mochizukiデザイナー&中目黒Accent Colorオーナーの望月沙織です。

夏ですね。昨年までアトリエを構えていた二子玉川のアパートは、多摩川の目の前にたっており、住人はみな鍵を渡されてアパートの屋上にのぼることが許されていたので、毎年その屋上にお酒やお弁当を買い込んでお客さんをお招きして多摩川花火大会の鑑賞会を開いていました。

でもそうでもなければ、わたくしにとって花火大会はわざわざ観に行きたいと思うイベントではありません(唯一毎年行っていた足立区の花火大会も、最初の頃はスキスキでのんびりできたので良かったのですが、最近は混雑するようになってしまってげんなりしました)。

花火大会に限らず、混んでてギッシリ or 長時間待つ&並ぶ、という状況がそもそも好きではないので、そういうことになりそうなものは極力避けるようにしています。

それ以外にも、BBQとか、キャンプとか、家の中でできることをわざわざ外でやることがあまり好きではないので、みんなが盛り上がる夏っぽいイベントは全般的にあまり好きではありません。

・・・っていうことを言うと、子供の頃は変わっている人扱いされてつまはじきにされたり、人にあらずみたいな扱いを受けるので、そういうことに怯えてなかなか本音が言えませんでした。周囲のオトナたちからも、「和(輪?)を乱すのは良くない」みたいなことをじわじわとすり込まれて育ってきたので、「本当はワタシはそうは思わないけど、、、」ということがあったとしても、それが多数派の意見でなければそっと飲み込む…みたいなことを長年やり続けていました。

でも今は違います。

いつ「たとえヒトと違っていたとしても、言いたいこと言うぜ」というスイッチが入ったのかは自分でも定かではありません。

なにかでパーンと変わったと言うよりも、例えば通勤ラッシュのように、こんなしんどい目にあってまで皆と同じことするのに何の意味があるんだ?!というマイルストーン的な経験をいくつか経て、そうなったんだと思います。

そしてそこから外れることがすごく恐ろしいことだって誰が決めたの?!という根本的なことに思いをはせてみると、なんだかとてもバカバカしくなってきて、人に迷惑を掛けないんだったら別に外れたっていいんじゃないの?!と思うようになったんだと思います。

そうなってからしばらくは、自分がそういう生き方をするだけに飽き足らず、皆と同じことをやっている人を見ると、「そんなことしてるのバカバカしいよ、もっと自分らしさを追求しなよ」とちょっかいを出すことに躍起になっていた時期もありました。でもそれこそまさに「みんなを同じ枠にはめ込もうとする」行為な訳ですから、迷惑な話です。もしそういう生き方を推奨したいのであれば、混んでたって花火をみたいって人は、好きに行かせてあげればいいのです。

また当然ですが、「みんながやってないこと」はほぼ前例がないので、自分でやり方を切り開いていくしかなく、「みんながやっていること」に手をつけるよりはしんどい思いをします。

そういうしんどい思いをしている自分を理解してもらうことにムキになっていた時期もありましたが、それも愚の骨頂で、ヒトからしてみたら「自分で好きにやってるんだから(辛いかどうかなんて)知るか!」って感じだと思います。

と言う訳で、最近になってようやく、“違っているかいないか、どちらがしんどいかしんどくないか、が重要なのではなく、自分と価値感が違う人がいたとしても、まずはその存在を認めること、そしてその上で、その人とどう共存していけるのかを考えること” が重要なんだろうな、ということにたどり着きました。

なかなか自分以外の考え方に想いを馳せるっていうのは難しいことだと思いますし、またそれを認めるというのも簡単にできることではないと思いますが、そういう想像力や包容力を自分が持てるようになればなるほど、自分自身も「キライなものはキライ」とどんどん言えるようになるんだと思うので、自分が好き勝手に生きていくためにも、なるべく他人のあり方には寛容でいたいなと思います。

 
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