日別:2015年01月22日

誰のために何をするのか

半歩先のドラマチック

「半歩先のドラマチック」は毎週木曜日 正午に更新。
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 「てんてんしましまを探して」改め「半歩先のドラマチック」がスタート!

ワンニャンの話から、英会話、和服の着付け、アベノミクスに至るまで、デザイナー・望月が興味を持ったモノを、望月独自の角度で突っ込みを入れていきます。「みんなはそう言っているけど、本当にそれでいいの??」と、大変うたぐり深い望月の、時に支離滅裂、時にぶっ飛んだ持論のせいで、頭が少々混乱するかもしれませんが、それもまた一興ということでお楽しみいただけたら幸いです。
「半歩先のドラマチック」は毎週木曜日 正午に更新です。

 

第2回 誰のために何をするのか

水玉バッグ 水玉バック Saori Mochizuki

「あれっ?あなた半年前にもいたよね?」と通りすがりの人に言われました(近所のサラリーマンも、お昼休みにブラブラ遊びにきてたりします)。そして相変わらずこちらでも、「一体どこの国のブランド??」と言われます。ただ、作っているものをじっくり見てくれる人は「わかる。これは日本人にしか作れないクオリティだ」って言ってくれます。

 

こんにちは、バッグデザイナー&水玉研究家の望月です。

わたくしは今、香港におります。

香港貿易発展局というところが主催のファッションの展示会に出展しております。

香港の展示会に出るのはこれが2回目。前回に比べて色々と見たり、感じたりする余裕があります。

前回も来てびっくりしたことは、香港の人たちが日本のことをものすごく評価してくれている、ということでした。

通訳をお願いしているヤクくんは、「アジアの中で日本は一番オシャレだと思う。それなのに、今は中国や韓国に押されて日本が元気がない。ワタシはそれが悲しいから、『日本頑張れ!』という意味も込めて、今ここで通訳を頑張っている」とまで言ってくれています。

確かに、会場の他の色んなブースを見て回っても、日本のクリエイティビティは圧勝だと感じました。

どれもこれも、「うーーん、もうちょっと気持ちを込めて作れよ!」という感じがしてしまうほど、ツメの甘さが目立ちます。オシャレさの度合いやアイディアの素晴らしさでいったら、ヤクくんが言う通り、日本国内の展示会の方が圧倒的にカッコいいと思います。

ただ、逆に日本人が圧倒的に負けていると思う部分もあります。

それは、やはりオシの強さです。

日本でもバイヤーさんはどちらかといえば上から目線ですが、それとはちょっと質の違う迫力があります。日本の場合だと「うちの売場に置かせてあげますから」という雰囲気が強いのですが、こちらのバイヤーさんは、「あなたのバッグはワタシにどういう利益をもたらしてくれるんですか??」ということを全面に押し出して色んな質問をしてきます。

日本のやり方になれてしまっていたわたくしは、前回来た時に「あなたはどういうビジネスがやりたいと思って香港に来ているのですか??」という、日本では一度もされたことのない質問をされて、びっくりしてしまったことがあります。

いや、、、ここに置いてあるバッグをいくつか買ってくれればそれで良いんですけど、、、なんて思っていたわたくしは、改めて「お金を稼ぐ」ということに対する執着の薄さを感じて、大反省をしました。

また、逆に自分のサービスを売り込みたい縫製工場やネットショップのプラットフォームを作っている人もたくさん営業にやってくるのですが、日本人のように「よかったら使ってみてください」みたいな謙虚さは一切なく、「あなたにはメリットしかないんだから、使いなさいよ」くらいの雰囲気でぐいぐいきます。

最初の頃はその雰囲気に、胸くそ悪い(おっとしつれい、、、)気分を抱いていたのですが、今回は「彼らも、「日本」というブランドを取り込むことで自分のビジネスにハクをつけたいんだな」ということがわかってきたので、こちらも、「それを使うわたくしのメリットはなに?」「わたくしは○○がやりたいので、そういうものはなにか提案してくれないの?」ということを聞けるようになってきました。

そしてお互いに相手に対するメリットを提示し合えて、それがそれぞれ自分たちの欲しいものだったりすると、話は一気に急加速します。

おそらくこのモードをまとったまま日本に帰ると、相当暑苦しい、嫌な人と受け取られてしまうかもしれないのですが(笑)、でも、どれだけすごいセンスや技術を持っていても、それをきちんと主張して打ち出していけるアクの強さもないと、世界では絶対に戦っていけません。

そう思うと、自分がヒヨヒヨしている場合ではないですし、なによりそれは、想いを込めて一生懸命作っているバッグに失礼だと思いました。

という訳で、今回の展示会も残りあとわずか。

悔いの残らないようにお粥と飲茶を食べながら、色々奮闘したいと思います。

バッグデザイナー&水玉研究家・望月沙織/Saori Mochizuki

Saori Mochizukiの水玉バッグ
Saori Mochizukiの水玉バッグ
Saori Mochizukiの水玉バッグ
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