カテゴリー:Saori Mochizukiの日常

脱・まわりくどさ/ジャン=ピエール・レオーについて

Saori Mochizukiの映画情報

大人は判ってくれない

こんにちは、水玉とストライプ&ボーダーのバッグブランドSaori Mochizukiのデザイナー望月沙織です。

 

行ってきました、ジャン=ピエール・レオーに会いに!(トリュフォー没後30周年映画祭の初日に舞台挨拶がありました

 

久々に観た「大人は判ってくれない」もよかった。結局大人って、「大人」じゃないんだよね。遊びたいし、ラクしたい。そんな自分の都合やわがままに子供を押し込めようとするけれど、子供がおとなしく付き合ってくれないと、「あの子はダメな子だ」って言う。

 

大人は判ってくれないというか、判ってないんです。

 

舞台挨拶をしたジャン=ピエール・レオーもすごかった。

 

「昔から何度も観ててすごく良い映画だと思ってて…」

 

と社交辞令を交える質問者を

 

「手短かに話してよ」

 

と、ばっさり。

 

2つ目の質問にも絶妙なコタエを残した後に、「メルシー(もういいでしょ)」と席を立ち、動揺する司会者の静止を振り切るように会場を後にしました。

 

それに対して、

 

“あのかわいかった「アントワーヌ」が偏屈なおっさんになっちゃった”

 

と言ってる人もいたけれど、じゃああれ以上の何が、あの場でできたというんだ、とわたくしは思いました。

 

彼の映画、彼の人生、トリュフォーとのこと、等々、もう世界中で散々語り尽くされていますし、質問だって何度となくされてきているはずです。

 

仮にあの場で1時間質疑応答を繰り返したところで、彼が聞かれたことの無い質問なんて、1コも出てこないと思う。

 

そう思うと、彼が今このタイミングでわざわざ人前で語ろうと思ってくれたこと自体が奇跡だと思いますし、初来日だったということの意味も理解できた気がしました(まだ一度も日本に来たことが無かったという事実に、最初わたくしは一抹の寂しさを感じていましたが、でも、まだ1度も行ったことのない場所だったからこそ、行く意味を見いだしてくれたのかな、と思いました)。

 

と同時に、本質に対して一直線に向かうことの大切さを改めて噛み締めました。

 

「ボクが今、ここに来ただけで意味があるでしょ。これ以上何度となく聞かれた質問にこたえたって誰も面白くないと思うよ」

 

ということを、はっきりと行動にあらわして許されるのは、彼のキャリアをもってしてのことだとは思いますし(これを若手女優が「別に」って言ってやると、総バッシングの目に遭う…)、時に与太話も必要だとは思うのですが、それによって本質がぼやけてしまったり、本音が言えなくなってしまうのは、ちょっと違う気がします。

 

そして仕事が出来る人ほど、ズバリと切り込んできますが、そんな時、わたくしは思わず動じてしまうことがまだ多々あるので、そういう時でも自分が思っていることを反射的にきちんと返せるような核を自分の中に持ちたいと思いました。

 

ちなみにわたくしがジャン=ピエール・レオーの出演作で一番好きなのは、「コントラクト・キラー」

 

これ、トリュフォー映画じゃなくて恐縮なんですが、おっさんジャン=ピエール・レオーのとぼけた味がすみずみまで溢れていて、哀愁漂うとっても良いお話です。機会があったら是非ご覧になってみてください。

 

バッグデザイナー

望月沙織/Saori Mochizuki

なんか見たことあると思ったんだよね

Saori Mochizukiの日常 / Saori Mochizukiの飼い猫・てん

水玉とボーダー・ストライプのバッグブランド Saori Mochizukiの営業副部長のてん(ねこ)

こんにちは、水玉とストライプ・ボーダーのバッグブランドSaori Mochizukiのデザイナー/水玉研究家の望月沙織です。

久しぶりにバーニーズ銀座店に行ったら、店内にギズモが一杯でめちゃくちゃかわいかった!(「ミュベール」というお洋服のブランドが映画「グレムリン」の30周年を祝って限定アイテムを発売したそうです

それをみて、、、あれ?これ、どっかの誰かに似てない?!という話になりました(笑)。

うちの営業副部長・猫のてんちゃんは、結構おしゃべりで、毎日わたくし達の顔を見ては、なーなーにゃごにゃご鳴いているのですが、その様子はギズモが歌を歌っている姿によく似ていてとってもかわいいんです(親バカ当社比1000%)。

何より色もそっくり。

もっと早くそれに気がついていたら、今頃てんちゃんはギズモちゃんになっていたかもしれません。

それにしても、バーニーズ。

店内はギズモのディスプレイの反対側1/3ほどがプライベートブランドの商品で埋め尽くされてしまっていて、ちょっとがっかりしました。

セレクトショップ、じゃなかったのーー?!?!?(怒)

新宿の方はもっと違うのかな(最近行ってないのではわかりませんが…)。

気持ちが上がったり下がったり、忙しいひとときでした。

バッグデザイナー&水玉研究家・望月沙織/Saori Mochizuki


Saori Mochizukiのバッグは以下から購入できます(それぞれの画像をクリックしてください)。
Saori Mochizukiの水玉バッグ
Saori Mochizukiの水玉バッグ
Saori Mochizukiの水玉バッグ
*******

【ブランドの裏側・奮闘記が読める!Saori Mochizukiのメールマガジン「もっとドラマチックな毎日」のご登録はこちらから】

☆Saori Mochizukiの商品は以下のサイトでも購入できます☆
Saori Mochizuki Web Shop
Saori Mochizuki Yahoo!ショッピング店
ショッピングアプリケーション「Origami」(実際にお買い物ができます)
キュレーションサービス「Sumally」(実際にお買い物ができます)
通販サイト「KOSTER」
Google+「Saori Mochizuki」ページ

にほんブログ村 デザインブログ 女性デザイナーへ にほんブログ村 ファッションブログ バッグ・小物へ にほんブログ村 ファッションブログへ にほんブログ村 デザインブログへ

お寿司を食べるてんちゃん

Saori Mochizukiの日常 / Saori Mochizukiの飼い猫・てん

こんにちは、水玉とストライプ&ボーダーのバッグブランドSaori Mochizukiのデザイナー/水玉研究家の望月沙織です。

てんちゃん、江戸前寿司堪能中。

ちらっちらっとカメラ目線なのが腹立ちます(笑)。

バッグデザイナー&水玉研究家・望月沙織/Saori Mochizuki


Saori Mochizukiのバッグは以下から購入できます(それぞれの画像をクリックしてください)。
Saori Mochizukiの水玉バッグ
Saori Mochizukiの水玉バッグ
Saori Mochizukiの水玉バッグ
*******

【ブランドの裏側・奮闘記が読める!Saori Mochizukiのメールマガジン「もっとドラマチックな毎日」のご登録はこちらから】

☆Saori Mochizukiの商品は以下のサイトでも購入できます☆
Saori Mochizuki Web Shop
Saori Mochizuki Yahoo!ショッピング店
ショッピングアプリケーション「Origami」(実際にお買い物ができます)
キュレーションサービス「Sumally」(実際にお買い物ができます)
通販サイト「KOSTER」
Google+「Saori Mochizuki」ページ

「てんてんしましまを探して」第14回・映画「イヴ・サンローラン」

Saori Mochizukiの映画情報 / 「てんてんしましまを探して」

「てんてんしましまを探して」は、バッグブランドSaori Mochizukiのデザイナー・望月沙織が興味を持ったヒト・モノ・コトについて、毎週木曜正午に更新していきます。企画詳細についてはこちらをご覧ください。

 

こんにちは、水玉とストライプ&ボーダーのバッグデザイナー・望月沙織です。

 

本日の「てんてんしましまを探して」は、日本公開から間もなく1ヶ月を迎えるイヴ・サンローランの伝記的映画について、です。もう既にご覧になった方も沢山いらっしゃると思いますが、わたくしは観ていて色んなことに心がざわざわしてしまったので、筆をとらせていただきました。

 

歴史的なデザイナーに嫉妬するなんて馬鹿げているとは思いますが、イヴ・サンローランと自分の間に横たわる大きくて深い溝に、今日は触れてみたいと思います。

 

イヴ・サンローラン

下のモノクロ写真にうつっているのがイヴ・サンローラン本人。上のカラーがピエール・ニネ演じるイヴ。長年のパートナー・ピエール・ベルジェも「そっくりすぎて混乱した」と評するほどの激似ぶりでびっくりしました。

 

「イヴ・サンローラン」
あなたは目撃する。
永遠のエレガンス誕生の瞬間を。

 

ブランドを運営して行くために、重要なことってなんでしょうか。

 

デザインを考える能力?
縫製技術?

 

それらは確かに重要ですが、わたくしはそれを遺憾なく発揮するためにはやはりお金が必要ですし、支えれくれるチームも重要だと思っています。

 

クリスチャン・ディオールに才能を見出され、彼の急死後、21歳という若さでブランドを任されたイヴ・サンローランは、フランス陸軍への入隊を余儀なくされ、そこで精神に破綻をきたし、軍の精神病院に入院させられます。

 

それがきっかけとなり、彼はディオール社から放り出されてしまうのですが、その時に彼の思いを支えて経済的基盤作りに奔走したのが、パートナーのピエール・ベルジェやディオールのミューズだったモデルのヴィクトワールでした。

 

才能に溢れていて静かな情熱を心に秘めているけれど、少年のように繊細でとても危うい雰囲気を醸し出すイヴは(というか実際に当時はとても若かったですし)、おそらく誰もが思わず手を差し伸べたくなる存在だったのではないでしょうか。

 

わたくしは、そもそもが甘え下手ということもありますが、どこか自分のことを過信していて、なかなか物事を自分の手から離すことができません。

 

1人で行き詰まっている、誰かに手伝ってほしいと言いつつも、心のどこかで「自分のやり方が1番!」と思っているふしがあり、他人に手を出されるとついつい「自分ならもっとうまくやるのに」と感じてしまいます。

 

そしておそらくその雰囲気は、わたくしの周りに見えない壁となって立ちはだかり、無意識のうちに人の手をはねつけていた部分があったのではないかと思います。

 

最近になってようやくそんな自分に気がついたわたくしの目には、イヴのまとう「ほっとけない」感は大変うらやましくうつりました。

 

それはもちろん、確固たる才能があってこその話だと思いますが、才能に満ちあふれている人でも、誰からも手伝ってもらえない人もいます。その理由は様々だと思いますが、わたくしはどうせだったら思いを共有できる人の意見には素直に耳を傾けたいですし、そういう人から、「あの人と一緒に仕事をしてみたい!」と思ってもらいたいと思っています。

 

さてそうするために、わたくしはまず「自分が1番できる」という思い込みから解放されないといけないと思うのですが、40年近くそういう思考回路で生きてきてしまったので、まー、なかなか大変です。

 

自分が1番できると思ってるだけで、実は1番できてる訳じゃないっていうのもタチが悪い。

 

どうにかして、そんな自分から脱出をはかりたいと思っています。

 

ちなみに、映画全体としては、スッキリきれいで過不足なくイヴの人生を網羅したという印象で、わたくしには少々もの足りませんでした。いやいやデザイナーって、もっともっと苦しんでいるでしょ、って思ってしまって。

 

確かに、イヴ・サンローラン財団とピエール・ベルジェの全面協力による数々のファッションショーのシーンは圧巻でしたが、ちらりと垣間見えたイヴと母親との葛藤や、生まれ故郷・アルジェリアとフランスとの板挟みに苦しむ姿、宿敵カール・ラガーフェルドとの人間模様など、彼のデザインの根幹にあるぐちゃぐちゃした闇の部分をもう少しみたかったなと思いました。

 

なお驚くことに、2014年9月末から、本国フランスではイヴに関する映画がもう1本公開されています。

 

「サンローラン」(原題:Saint Lauren)というそのものズバリの題名なんですが、こちらの映画はいわゆる「非公認」。

 

何の断りもなく撮ったことにピエール・ベルジェが激怒した、なんてウワサもきかれておりますが、宣伝用の写真を見る限り、ギャスパー・ウリエル演じるこちらのイヴは、人をおちょくるような表情で笑っていて、ぬらりと妖しく、わたくしがのぞんだドロドロをみせてくれるような期待感に満ち溢れていました。

 

その分、劇中に登場するサンローランのお洋服等は、全て1から自前で作らねばならなかったと思うので、それはそれで大変だったと思いますが、その分ピエール・ベルジェに気を遣うことなく、色んなことを描ききれたのではないでしょうか。

 

こちらの映画は残念ながら日本公開未定とのこと。うーむ。なんとか観るスベはないかな。フランス語は全く分かりませんが、でもフランス語版でもいいので、なんとかして一度絶対に観てみたいと思いました。

 

見比べられた暁には、また感想を書いてみたいと思います。

 

バッグデザイナー・望月沙織/Saori Mochizuki

 

*******

 

今日の記事でご紹介した映画の詳細情報はこちら

『イヴ・サンローラン』
角川シネマ有楽町他で全国ロードショー中
監督:ジャリル・レスペール
出演:ピエール・ニネ、ギョーム・ガリエンヌ
2014年/フランス/カラー/シネマスコープ/106分