• 投稿者 : Saori Mochizuki Movie

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全ての道は平戸に通ず/「てんてんしましまを探して」第12回・福岡/「TOIRO-FIRANDO(トイロ-フィランド)」代表・小値賀友理さん

「てんてんしましまを探して」 / ブランド

「てんてんしましまを探して」は、毎週木曜正午更新
てんてん(水玉)しましま(ボーダー&ストライプ)のかわいいアイテム、そこに携わる人々の思いをバッグブランドSaori Mochizukiのデザイナー・望月沙織がつづります。企画詳細についてはこちらをご覧ください。

TOIRO-FIRANDO

こんにちは、水玉とストライプ&ボーダーのバッグデザイナー・望月沙織です。

さて、しばらく続きました「てんてんしましまを探して」の福岡シリーズも今日でおしまいです。トリは、うちがいつもお世話になっているTOIRO-FIRANDO(トイロ-フィランド)さんでしめさせていただこうと思います。

TOIROさん(とわたくしはいつも略して呼んでいます)と知り合ったのは1年前。まだ1年しか経ってないの?!と自分でもびっくりですが、元々は同じ時期に同じ百貨店の少し離れた場所でそれぞれ催事をやっていたのがご縁の始まりでした。

うちはその日最終日だったので、わたくしは搬出に備えてバッグヤードであれこれ準備をしていたら、スタッフの1人が「モチヅキさん!モチヅキさん!とっても素敵な人達が買い物に来てくれましたよ!あっちの方で催事をやっているブランドの人達みたいだから、早く行ってみてください」と息を弾ませて呼びにきてくれました。

その時店頭にいたのが、TOIROの代表・小値賀(おじか)友理さんと、販売担当の高木逸美さんでした。

その場で色々お話しをして、すっかり意気投合。翌日には東京に残っていた高木さんと、ニコタマでご飯を食べておりました(笑)。

何がそんなに自分に響いたのか、今振り返ってみてもなかなかうまく言葉にすることができません。

でも、見事なチームワークで動いていること、ただふんわりと「ブランドやってます〜」なんて甘ったれたことではなく、ものすごくシビアに、何をやったらビジネスとして成立するのか考えている姿に共感して、自分よりもずっと若いのに、この人達はすごいな、と思った記憶があります。

そこからTOIROさん達もうちのバッグを気に入ってくださり、福岡の催事でTOIROさんの商品と一緒に、うちのバッグもたくさん販売してくださるようになりました。

これまで福岡はおろか、九州に全くゆかりのなかったわたくしに新たなチャンスをもたらしてくれたのです。

そんなTOIROさんについて、代表小値賀さんに色々伺ってみました。なんだかいまさら改めて色々伺うのは気恥ずかしかったですが、まだ知らないこともたくさんありました。

TOIRO-FIRANDO

まず、TOIROさんのコンセプト(※)ですが、長崎県・平戸(小値賀さんの出身地)になみなみならぬ思いがみなぎっています。今まで色んなデザイナーさんに出会ってきましたが、自分の地元をブランドの核にしている人には初めて出会いました。その思いがどこから来るのか興味があります。

(※)「Made in FIRANDO(長崎県平戸市)から産み出す異文化交流で培ったオリエンタルなカラーと スタイル、そして様々な異なる素材をミックスし既成概念にとらわれないファッションの“新しいカタチ”を提案し、様々な人の持つ個性を引き出すブランドとして平戸から世界に発信しつづけます」【TOIRO-FIRANDO公式サイトより】

<小値賀友理さん(以下<小>)>
もともと平戸の役に立つことがしたかったんです。

最初は小学校の先生をやっていたんですが、平戸でお店を出したくて、教員をやめて、福岡のファッションビジネスの学校に行きました。そこでスタイリストとファッションビジネスの勉強をして、3人くらいのスタイリストのアシスタントをやっていました。

その後スタイリストとして独立したけれど、実は、ファッションよりもブライダルの仕事をして、夫婦になる方々の応援をしようとしてたんですよ。家族やその周囲の在り方に触れれば、(そこから生まれてくる)子供達も変わり、私は何の役に立てるのだろう、、、という謎が解けると思ってました。

人の役に立つ仕事をやりたいけど、どうにもならない迷走期があったと言います。いろんな事を考えていて、でもブライダルだけでは上手く進まず、スタイリスト・ブライダル・アクセサリーを並行してやっていたそう。そんな中、アクセサリーの仕事が進み始め、これだ!と思い、平戸の人達も手伝うことに賛同してくれたのが、TOIROへつながるそもそもの始まりだといいます。

TOIRO-FIRANDO

Sonianka(ソニアンカ)税込¥9,180-
TOIROさんの一風変わった商品名は、TOIRO特製“平戸ジェネレーター”によるもの。小値賀さんが平戸の好きなものを書き出して一覧表にして、その中からシーズンごとに一定の法則を決めて、文字を拾いだして付けています。だから商品名になっている言葉そのものには意味がないそう。これもユニークな発想です。

<小>
平戸は日本の中でも最低賃金が低い、自営ばかりの地域です。人は一杯いるのに、仕事がない。仕事をしたいけどできないでいる主婦も沢山いるので、これ(アクセサリー)をなんとか彼らの仕事にできないかと思いました。

父親が地元で工場をやっていてその建物に2部屋空きがあったので、場所はある。そして作ってくれる人もいるけれど、(平戸で完結していては)販路を広げられないと思いました。

そこで、平戸で作ったものを福岡で小値賀さんが売る、という体制を築くことになります。

ちなみに現在は、わたくしがお会いしたことのある福岡スタッフだけでも4人(小値賀さん、高木さん、安武さん、加藤さん)いらっしゃいます。平戸のメンバーもあわせると、もっと大所帯です。このメンバーはどうやって集まってきたのですか?まとめることの難しさはありませんか?

<小>
ほとんどが知人の紹介です。みんな自立してやってくれているので、大変さはありません。

ここがわたくしの思う、小値賀さんのすごい所。とにかく彼女は顔が広い。わたくしが初めて福岡に伺った時、一緒に天神の街を歩いてびっくりしたのですが、「おじかちゃーん」と次々に声がかかって、まっすぐ歩いていられない感じなんです。

そして人懐こいキャラクターは、どこか思わず手を差し伸べたくなる雰囲気がありますが、こちらが思っている以上に色んなことに気を遣ってくれていて、イザと言う時はきっちり責任がとれる度量の深さも持ち合わせています。「東京から来たモチヅキさんだよー」と、分け隔てなく色んな人にも紹介してくれました。

そんな彼女だから、周りの皆は自然と手を貸したくなるのでしょうし、頼っても大丈夫だという安心感も出るのでしょう。

ちなみにスタッフの役割分担はどんな感じなんですか?

<小>
打合せは全部私がやってます。基本的に販売に立つのが私といっちゃん(高木さん)で、この2人が比較的できることが似ているかな。安武さんは(グラフィック)デザインがメインで、アクセサリーは皆で作っています。

アクセサリーを作る時に、意見が割れたりぶつかったりしないんですか?

<小>
私、自分が作ったものよりも人がデザインしたものの方が良いって思うんですよ。自分じゃこんなの考えられない、すごい!って思うので。

平戸のスタッフは、強度の心配をして意見を言ってきてくれます。この結び方だと肌を痛めるんじゃないか?!とか。

なるほど。

では、小値賀さん自身が一番好きな仕事って何ですか?

<小>
なんだろう…。その時によってコロコロ変わるんですよ(笑)。作っていて、思いあまると人に会いに行くし、販売の仕事も好きだけど、うーん…。

誰か私のかわりに経営してくれないかな、とも思いますよ(モチヅキ思わず爆笑。いや、わたくしも時々同じことを思うので)。もう全部、何かあったらとにかく私が謝るからさ、って(笑)。でもいいな、って思う人はみんな既に自分で何かをやっているんですよね。

分かります。うちだって、小値賀さんみたいな人を経営のポジションに欲しいけど、小値賀さんはもう自分ではじめてる。

TOIRO-FIRANDO

ところで最近は、例えばうち(Saori Mochizuki)のバッグも一緒に売場で展開してくれたりと、TOIROさんの催事に、他ブランドを組み込む活動が続いていますが、それは自然とそういう体制になったのですか?

<小>
将来は平戸で店をやりたいと思っているんです。アクセサリーだけじゃなくてお洋服や、平戸の物産品も扱うお店を。

だから人の商品も扱えるようになっておいた方がいいと思って、今は意図的にそういう活動をしています。(入るブランドの数が多ければ)相乗効果で良い売場にも入れますので。

全ては、大好きな平戸のために。

「平戸でやれば、しょっちゅう帰る口実ができていいかな、と思って(笑)」と笑う小値賀さんですが、その感覚はとてもうらやましいです(わたくしは、まぁ自業自得なんですが、なんの感慨もなくぼーっと東京郊外で育ってしまったので…)。

そして平戸から受けた一杯の愛情を、どうやったら返していけるのか、一緒に頑張ってくれる仲間と形にしていこうとしている姿もうらやましいです。

というか、既に平戸だけではなく、わたくしを含めた色んなブランドさんにその愛情は及んでいます。

そうすると、わたくしもなにかやらねば、って気持ちになるんですよね。

そんなところもTOIROさんの素敵な所だと思います。

いつかぜひ平戸にお邪魔したいと思っています。もちろんまた、福岡にも。

わたくしも東京で精一杯色々やっていきたいと思っております。これからもどうぞよろしくお願い致します。

バッグデザイナー・望月沙織/Saori Mochizuki

(一部敬称略でご紹介させていただいている場合がございます。ご了承ください)
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環境と人生

Saori Mochizukiの日常 / Saori Mochizukiの飼い猫・てん

水玉とボーダー・ストライプのバッグブランド Saori Mochizukiの部営業副部長のてん(ねこ)

こんにちは、水玉とストライプとボーダーのバッグデザイナー、望月沙織です。

わたくしはてんちゃん(我がブランドの営業副部長・ネコ・推定4歳)に初めて会った日のことを鮮明に覚えています。その時の動画と写真も残っています。この前その日のデータを改めて見直していたら、

水玉とボーダー・ストライプのバッグブランド Saori Mochizukiの部営業副部長のてん(ねこ)

顔つきが全然違っていてびっくりしました。

この時から人なつこくて、こんな顔しながらも、人にすりすり寄ってきていました。だからかもしれませんが、当時から可愛い顔をしたネコだな、と思っていたのですが、ううーん、今改めて見ると、怖い…よね。

チョウチョを追っかけながら河川敷を陽気に走り回っていた姿を知っているので、今はおうちに閉じ込めちゃってちょっとかわいそうかな、と思っているのですが、この変化をみたら、少しは今の生活も満喫してもらえているのかな、と思ってしまいました。

人生、何が幸せで何が不幸かは、なかなか簡単には決められませんが、今のてんちゃんが少しでものんびりしてくれていたらいいなと願ってます。

バッグデザイナー・望月沙織/Saori Mochizuki

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手前の部分で悪戦苦闘

Saori MochizukiのWebショップ

こまったもんだ

こんにちは、水玉、ストライプ&ボーダーのバッグデザイナー、望月沙織です。

わたくしは数年前、楽天市場で雑貨のセレクトショップを運営していたんですが、そこから一度ネットの世界を離れて数年、今年久々に戻ってきましたら、色々取り巻く環境が変化していてびっくりしました。

とはいえ、本質的な部分は一緒です。

今日はこれまた久しぶりにリスティング広告(googleやyahooで検索した時に、検索結果の画面に表示される広告)の設定を行ったのですが、yahooさんがだだをこねて、何度やってもエラー。。。

問い合わせた所ですぐにお返事が来る訳でもないし、残念ながらこういう所は以前から全く変化しておりません。

という訳で仕方がないからちょっと寝かせて、別の仕事をすることにします。とほほ。

バッグデザイナー・望月沙織/Saori Mochizuki

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忍び寄る高齢化社会

Saori Mochizukiの商品

Saori Mochizuki サオリモチヅキ 望月沙織 水玉 バッグ ストライプ ボーダー リボン ドット

こんにちは、水玉、ストライプ/ボーダーのバッグデザイナー、望月沙織です。

最近、新作の生産で仕上がりに重大なミスがありまして。。。

同じ型の追加生産を同じところに頼んだので、どうしてこんなトラブルが発生してしまうのか理由が分からず、

「1回目に作ってくれたこれと同じに作ってくれれば良いだけなのに、どうしてそれができないんでしょうか?」

と至極当たり前の疑問(ともつかぬ憤り)を先方にぶつけたところ、ものすごく切なそうな顔をしながら

「そもそもで言いますとね、モチヅキさん。この1回目を縫ってくれた職人さんは、もう亡くなっちゃっていないんですよ」

という衝撃的なコタエが返ってきました。

腕のいい日本の職人さんは、現在70代、80代で、1〜2年前から次々に他界されている、という話はきいていたのですが、まさか自分の所を直撃してくるとは思ってもおらず、なんだか色んなことを考えてしまいました。

今、日本でモノを作るのは、こういうことを含めてどんどん難しくなってきています。

よくこういうトラブルの話をすると、「それってどこの国の話??」と必ず聞かれるんですが、他でもない、日本の話なんです。

made in Japanに誇りを持っていたのは、品質が優れていたからで、そこすら揺らぎ始めた今、人件費が高い(結果、工賃も高くなる)国内でモノを作ることのどこにメリットを見いだしたらいいんだ、というのが、今のわたくしの正直な気持ちなんですが、これは本当に難しい問題です。

まだまだ日本製に対する信頼は存在しますが、作り手がそこにあぐらをかいていてはいけないと思います。もっと危機感を持ってのぞみたいし、のぞんでほしいと思ってます。

バッグデザイナー・望月沙織/Saori Mochizuki

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