大きな幸せは小さな幸せの積み重ねの先にある/「てんてんしましまを探して」第1回・東京/祐天寺「+flower(アンドフララー)」オーナー・齋藤いつみさん
「てんてんしましまを探して」は、毎週木曜正午更新。
てんてん(水玉)しましま(ボーダー&ストライプ)のかわいいアイテム、そこに携わる人々の思いをSaori Mochizukiのデザイナー・望月沙織がつづります。
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「てんてんしましまを探して」第1回
【東京・祐天寺 +flower(アンドフラワー) オーナー 齋藤いつみさん】
齋藤さんは、即興で場を沸かせるジャズミュージシャンみたいだ。
かれこれ長い付き合いになるけど、お話しを伺って、改めて見えてきた齋藤さんの根っこの部分の1つがこれだ。
祐天寺で+flower(アンドフラワー)という雑貨屋さんを経営する齋藤さんとわたくしの出会いは、齋藤さんの前職にまでさかのぼる。アリヴェデパールという人気雑貨店に、オープンから約10年間ほど在籍し、わたくしはそこで商品を取り扱ってもらうハンドメイド雑貨の作家(当時)として齋藤さんと知り合った。
その頃から齋藤さんの頭の中には、どうしたらお客さんに喜んでもらえるのか(=売上が取れるのか)、という部分がはっきりとあり、作家に発注をしてくる時も、そのポイントを明確に打ち出していた。そして齋藤さんに預けると、驚くほど売れる。
売ることに真剣に取り組むようになった今でこそ、齋藤さんの話はよく理解できるんだけど、当時は作ることに精一杯で、全然齋藤さんの言っていることについていけなくて、電話がかかってくるのが怖いなーと思った時期もあったほどだ。それでもきちんと売ってくれるので、「これはついていかねば…」と必死にくらいついた記憶がある。
じゃあなんで齋藤さんはそんなに売ることができるのだろう。。。そのヒントは、齋藤さんの接客に対する思いの中に隠れておりました。
「私はお客さんと話しをするのが大好き。お客さんと話しをしていく過程でお客さんの気持ちや状況など色んなものがどんどん変化していって、最終的にはそのお客さんが、うちのお店に入ってきた時には予想だにしなかったものを喜んで買っていかれることがある。そういう時、この仕事は本当に面白いな、と思うんです」
こう書くといかにも簡単に聞こえるが、場の空気を読んで、アドリブをきかせながらお客さんを心地良い方向へいざなうのは、生半可な腕力ではまず無理だ。売ることだけに必死になると、お客さんが本当は何を欲しいと思っているのかに気づかず、目先の売上だけにとらわれて、自分が売りたいものだけを押し付けてしまったりもする。仮にそれで売れても、お客さんの中には「買ってよかった!」という気持ちはなかなか生まれにくい。
でも齋藤さんは、その時々で状況を見極めて、お客さんに商品を提案していくのが楽しいと言う。
それでいうと、今回提案してくれた「てんてんしましま」グッズもそうだ。
「望月さんのバッグだけだと、なんだかヤラセみたいでしょ(笑)。だから望月さんのバッグと組み合わせると、何がかわいくなるかな、と思って選んだのがこれ!」と張り切って見せてくれたのは、ファンが沢山いるお人形作家Bruno(ブルーノ)さんのフェイスブローチ(税込¥1620-)。
よーーーく見ると、、、お人形さんのリボンのところがモノクロの水玉!!
「Brunoさんのお人形のいいところは、ファッションセンスが抜群なところ。お洋服の組み合わせがとってもお洒落なんです。手足のバランスも絶妙で、ファンシーすぎないのもいい。そんなBrunoさんのほんわかした雰囲気に、望月さんのパンチある商品を組み合わせてみると面白いな、と思って…!」
うーん、なるほどなるほど。この写真にあるようなうちのバッグ(リボントートバッグ「Love Comedy」Sサイズ/¥16,200−)の佇まいは、普段あんまり見ない雰囲気だ(同型のバッグは→こちらでご覧頂けます)。自分の商品の違った一面が見えて、とっても不思議な感じ。でもすごくいい。
きっとこうやってお客さんにもいろんな驚きを提案しているんだろうな、と思ったら、そりゃ、売れないわけがない!と思わず納得してしまいました。
最後に、齋藤さんにとっての「日常の中のドラマチック」ってどんなもの?!っていうのを聞いてみた。
すると即答で返ってきたのが今日のタイトルの言葉で、これはそっくりそのまま、わたくしが自分のブランドのコンセプトを説明する時に使っている言葉でもあったので、ものすごくびっくりした。でも、「改めて言葉にしたことはなかったけど、そういう部分で共鳴しあっていたからこそ、お互いに今まで付き合ってこれたのかもしれないですね」と2人して妙にうなずいてしまったのでありました。
「私は、日常のちょっとしたことの積み重ねが大きな幸せを築くと思っています。それは物作りや販売にも言えることで、先日、とある有名なハンドメイド作家さんの商品を手に持って、『私はこの人よりももっときれいに縫えます!』と売り込みに来た人がいたけれど、そういうことじゃない。きれいに縫えるのは商品として当たり前のことで、それプラス、Brunoさんみたいに、お洒落なお洋服の組み合わせが提案できたりと、ちょっとした工夫ができないといいものにはならないと思う。そしてそういうちょっとしたことを、毎日お客さんに少しずつ伝えていけるのがこの仕事のいいところだと思ってます」
かっこいいぞ、齋藤さん。
そんな齋藤さんのお顔が撮りたいと、恐る恐る写真を撮ってもいいか尋ねてみたら、、、
「いやです、絶対にいや!(笑)私は自分の顔を撮られるのが本当にいやなんです!」って言ってたけど、そんなところもわたくしとよく似ていて、あー、もう一生ついて行きます!これからもよろしくお願いしますっっ!!て思ってしまった。
そんな齋藤さんの「アドリブジャズ演奏」に酔いしれたい方は、ぜひ祐天寺の+flowerへ。自分の好みの、思ってもみなかった意外な一面を引き出してもらえるかもしれません。
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今日の記事でご紹介したお店・ブランド・商品の情報はこちら
【+flower(アンドフラワー)】
http://www.and-flower.com
〒153-0052東京都目黒区祐天寺1-21-16-C
TEL:03-6303-0690 FAX:03-6303-0691
営業時間:12:00~19:30 定休日:月曜日(祝日含む)
【人形創作ユニット Bruno(ブルーノ)】
http://www.bruno-doll.com
【Saori Mochizuki】
Love Comedy(ラブコメディ)Sサイズ
(記事の中でご紹介しているデザインには1点ものも含まれます。在庫状況等は直接+flowerさんにお問合せ下さいませ)
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