全てのものには理由がある/「てんてんしましまを探して」第6回「WREATHE(リーズ)」古畑直哉さん、徳光綾さん

「てんてんしましまを探して」は、毎週木曜正午更新
てんてん(水玉)しましま(ボーダー&ストライプ)のかわいいアイテム、そこに携わる人々の思いをバッグブランドSaori Mochizukiのデザイナー・望月沙織がつづります。

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「てんてんしましまを探して」第6回
WREATHE(リーズ)/古畑直哉さん・徳光綾さん

WREATHE
WREATHE(リーズ)/デザイナー・イラストレーター:徳光さん

こんにちは、水玉とボーダー&ストライプのバッグデザイナー・望月沙織です。本格的に夏になりましたね。いかがお過ごしでしょうか。

さて本日ご紹介するWREATHE(リーズ)さんは、特に絶滅危惧種の動物をモチーフにしたバッグや小物雑貨で大人気のブランドです。営業面ご担当の古畑さんと、デザイン面ご担当の徳光さんのお2人で運営されています。

わたくしは共通の知人を介してWREATHEさんと知り合いました。物腰が柔らかくて、「よくうちのこんな商品を買ってくれるよねー」なんて自虐的に笑い飛ばしつつも、こだわりをもって丁寧にお仕事をされている雰囲気になんだか訳もなくとても惹かれて、わたくしは出会った数日後にうちの展示会のブース壁画を依頼しました。その時のイラストも、まー、お洒落でかわいくて!

Saori Mochizuki サオリモチヅキ 望月沙織 水玉 バッグ ストライプ ボーダー リボン ドット マギーちゃん
これがその時の様子。うちのイメージキャラクター・マギーちゃんのイラストを描いていただきました(2013年3月繊研新聞主催・合同展示会「PLUG IN」にて)

今回はその惹きつけられた秘密がどこにあるのか、詳しく伺ってみたいと思います。

———そもそもお2人とも文化服装学院(以下、文化)のご出身だそうですね。

徳光さん(以下、徳)
私は最初、流通科のスタイリストコースを卒業した後、文化で先生をしてました。先生の大半は自分の出身コースの中で教えるだけなんですが、私の場合は7年かけて、流通科の様々なコースを渡り歩きました。そこで色んなジャンルに広く浅く携わった経験は、今の仕事にとても役立っているのですが、最終的にはどーーーしても1人でイラストレーターをやってみたくなって退職しました。

古畑さん(以下、古)
僕はスタイリストコースを卒業した後、ポールスミスで販売の仕事をしていました。でも今度は内側の仕事がしたくなって、レディースアパレルの営業に転職したんですけど、そのブランドがなくなるのを機に、広告営業に転職して、テレアポの仕事をしてました。

そのお2人が、なぜ一緒にブランドを立ち上げようと思ったのですか?

<古>
もともと僕は昔から経営の仕事がしてみたかったんです。僕のかわりならいくらでもいるような仕事ではなく、僕が決めないと始まらない、っていうのをやってみたかった。そしてファッションで何かやってみたいと思ったのですが、僕はデザインができないので、どうしようかな、、と思った時に、目の前に徳光がいた(笑)。そこで、「イラストを好きなだけ描けるからやってみない?」と誘ったのがそもそもの始まりです。

それに対して徳光さんはどう思ったんですか?

<徳>
あ、いいんじゃない?!くらいの軽い感じでした(笑)。

でもそこからどうして絶滅危惧種のイラストでバッグを作る、というスタイルにたどり着いたのでしょうか。

WREATHE
コツメカワウソポーチ(手前左)、スマトラトラポーチ(手前右)、フタコブラクダバッグ(奥)/どの子達も、絶滅の危機に瀕しているとは思えないほどユルユル描かれていて、そのギャップにやられます。

<徳>
私は動物が好きなので、最初は適当に動物を描いていたんですが、古畑が「なんで動物なの??」って聞いてきたんです。古畑は、リボン1個、レース1枚に至るまで、なぜそれが必要なのか、いちいち全部理由を求めてくるんです。

<古>
ほら今聞きましたかっ?!適当に、って言ったでしょ。それはダメなんですよ。僕は自分が納得しないと嫌なんです。だってそうじゃないとお客さんを納得させることはできないじゃないですか。

<徳>
だったら絶滅危惧種を描けば、その事実にスポットを当てることができるし、お客さんにもそれを伝えることができる。そして動物を描きたいっていう自分も納得できると思ったんです。

この言葉を聞いて、わたくしは思わず「うーむ、、、」と考え込んでしまいました。わたくしの作っているバッグ、古畑さんに突っ込まれたら、ちゃんと全部にコタエを返せるだろうか。。。ただぬるっと「かわいいから」という理由で作ったものを買ってくれるほど、お客さんは甘くはない。

でもそれを表現する手法として「バッグ」を選んだのはなぜだったのでしょうか。

<古>
最初は洋服とバッグ、両方やっていたんですが、初めて出た展示会「rooms」で、バッグに良い反応があったんです。また、洋服を作るにはミシンの種類がたくさん必要など、生産基盤を整えるのにハードルがあった。だったらまずはバッグに絞ってやっていこうか、ってなりました。

でも、襟付きのバッグとか、洋服をやっていたからこそのデザインはたくさんあります。ただそれは「バッグ」のデザインではないので、「うちでは生産できません」って工場に断られてしまうケースも多々あります。だけどそこをなんとか頑張って、単なるバッグ屋やポーチ屋に作れないものを作っていけば、うちの強みになる、と思っています。

ちなみに今回ご紹介してくださった「てんてんしましま」グッズの1つが本日1枚目の写真で徳光さんが持つバッグ。

これ、実は浮世絵の構図をそのままバッグに写し取っているんです。ブラウスやネクタイのようなモチーフがいかにもWREATHEさんぽくてとってもユニーク。でもあれ?これは動物じゃないぞ。

WREATHE
柄違いのデザイン

<徳>
私は価値あるものを日常に取り入れてもらいたいと思っています。宝石をたくさんちりばめたイラストのバッグも作っているんですが、実際の宝石をそんなに持ち歩いたらとんでもなく高価になってしまうけど、絵にしてバッグにプリントしたら、気軽に持って歩けますよね。

たしかに、絶滅危惧種も実際の生体は身近に飼って触れ合ったりすることは不可能ですもんね。

<徳>
埼玉のなんにもない場所で生まれ育ったので、たまに自然の中に入っていって動物と触れ合うのが楽しくて仕方がなかった。私にとって動物の存在も(価値ある)非日常なんです。基本的には家からあまり外に出て行くタイプではないので、ドラマチックなものは外から与えてもらうもの、っていう感覚があって、例えば窓の外を見ていて雨が降ってくると、「あー、アリンコはどうしているのかな」とか空想してしまうんですよ。

<古>
えっ?!毎日そんなこと考えてるの?!僕はどっちかって言うと、外に出て行って、人と会ったり、自らドラマチックなことを探すタイプだから、(徳光さんの話に)びっくりした。

笑。

でもそんな真逆のお2人をつなぎとめているものってなんなのでしょうか。

<徳><古>
うーーん・・・。

<徳>
わからない、けど、1つあるとすれば、2人とも自分に自信がないところかな。自分たちの価値は他人が決めると思ってる。だからお互いにお互いのダメな所を批評しあって、補完しあっているんだと思います。

<古>
僕たちは毎回、商品を世に出した瞬間、反省点が見えてしまいます。いや、もちろん出すまでは「これで完璧!!」と思って作ってるんですが、展示会の準備で商品を並べている最中にどんどんアラがみつかる。

<徳>
そうそう、だから逆に、どうしてこれ売れなかったんだろ、、、??ってものがない。そりゃそうだ、ここがだめなんだもんね、っていうのがすぐにわかるので。

ううう。そ、それは無茶苦茶すごいことだと思います。わたくしは、まだ「どうして?どうして?」のループにはまることしばしば・・・。そしてそれは大半の駆け出しデザイナーにも当てはまることだと思う。

だけどお2人のお話を伺って、それはおそらく一番最初の段階で、「なぜそのアイテムを作る必要があるのか?」という部分の検証が足りてない証でもあると気づきました。

WREATHE
いまやWREATHEさんの代名詞ともいうべき、かえるちゃんのティッシュポーチ。昨年末、大阪高島屋で一緒に催事をやらせていただいた時、置いておくだけでボンボン売れていく様に衝撃を受けました!

いつかはわたくしも、このかえるちゃんポーチのように、ヒット商品を作ることができるでしょうか。いや、ヒット商品を作ろうと思っちゃいかんのです。どうしてそれが世の中に必要なのか。そこなんです、そこ!(おい、目を覚ませ、モチヅキ!!)

今回もまた、とってもいい勉強になりました。ありがとうーWREATHEさん!!やっぱりさすがです。

<徳><古>
さっ。もう終わりにして、飲みましょうか!

バッグデザイナー・望月沙織/Saori Mochizuki

(一部敬称略でご紹介させていただいている場合がございます。ご了承ください)

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